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食の未来を創造するためのワークショップ「Future Food Innovation Workshop」開催 Food
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食の未来を創造するためのワークショップ「Future Food Innovation Workshop」開催

2021年11月20日、CityLab TOKYOにて東京大学の学生の皆さんとFUTURE FOOD INNOVATION WORKSHOPを行いました。今回はその様子を紹介します。


ダイジェスト版動画はこちら


FUTURE FOOD INNOVATION WORKSHOPとは


このワークショップは、様々な背景を持つ人々が共創し、食が抱える社会課題を解決するための新たなアイディアを創り、そのアイディアを実際の社会に展開すること、そこで得た学びから次世代のリーダーを育てることから、食の未来に繋げていく社会実装型プロジェクトです。

 

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食品ロスを解決するためのアイデアを創出する

 

第一回となる今回は、「Beeat!!八重洲」学生たちが描く未来の食プロジェクトにも参加した、食や環境問題に興味を持つ東京大学の学生の皆さんと実施。講習、施設見学、ワークショップを1日で行いました。

今回のテーマは、「食品ロスを解決するサステナブルな食」。未利用の食糧資源、廃棄されてしまっている食料資源、再利用できる食料資源などからサステナブルな社会につながる新たな製品・食品・サービスなどのアイディアをグループごとに創出します。
優秀なアイディアは、さらに内容に磨きをかけて、2022年5月まで開催中の「Beeat!!八重洲」で実際に展示・提供される予定です。

 

食における各分野のプロフェッショナルからのインプット

 

グループワークを始める前に、まずは食に関する3人のプロフェッショナルから、食品ロスに関して現在の我々が直面している問題や解決するための取組み事例などをお話いただきました。

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株式会社シグマクシス・ホールディングス 田中宏隆氏からは、「Recycle/Upcycle foodsの実例」と題して、国内外のフードテック関連企業によるリサイクル・アップサイクルの取組み等について。

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株式会社office3.11 井出留美氏からは、「食品ロスの実態」というテーマで、食品ロスとは何か、実際の発生量やロスを防ぐ方法等についてお話いただきました。

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最後に、株式会社ビーンズ 長谷川真吾氏からは、「食品開発の基礎と実践」と題して、食品を実際に開発する際の流れや、開発に考慮すべき項目と視点等についてお話いただきました。

第一線で活躍されている講師の方々から多角的に食品ロスの解決をするための最新事情と基礎知識をお話いただき、熱心にメモを取る学生の皆さんの姿が見られました。


食の未来を実装する3つの施設を見学

 

講座の後は、TFIが管理する、食に関する3つの施設を見学。2つのグループに分かれて、「TOKYO FOOD LAB」、「SUIBA」、「TOKYO IDEA EXCHANGE」を見学しました。

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TOKYO FOOD LABでは、2階にある食品開発に対応した厨房施設に加え、1階にある世界レベルの生産性を誇るPLANTXの植物工場も見学。フードテックの現場を間近に感じていただきました。


グループでのディスカッション

 

休憩を挟んで、午後はいよいよグループワーク。3グループに分かれて食品ロスを解決するためのアイディアを考えます。学生の中に混ざって、講師陣やサポーターがディスカッションに入り、アイディアをまとめるためにアドバイスをいただきます。

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グループワークの時間は約3時間でしたが、ワークショップの最後にピッチ形式でグループごとに発表することになっているため、そのための資料作りも行います。
資料の準備や発表内容も話し合いをしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。


アイディアをプレゼンテーション


最後にグループごとにアイディアをピッチ形式でプレゼンテーションを行いました。模造紙に表現されたアイディアは、どのグループも食品ロスの現状を踏まえ、それを解決するためのアイディアが具体的に提案されていました。中には、講師の方のお話の中にあったスタートアップのテクノロジーを活用したアイディアも。

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プレゼンテーションの後は、講師、サポーターの方々、そしてTFIメンバーと、アイディアについての質問応答が活発に交わされました。

アイディアを形にした場合の商品のネーミングをみんなで出し合ったり、販売するときの価格帯や研究開発のステップ、現時点で類似したサービスが存在するかどうかなど、プレゼンテーション時に必要な情報のアドバイスも多方面から提供されました。

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優秀賞に選ばれたのは…


そしてそれらのやり取りをもとに、TFIメンバーにて食品ロス解決への寄与度、実現可能性、独創性、熱意などの評価を行い、優秀なアイディアを決定しました。

優秀アイディアに選ばれたのは、グループ2の「不可食部ゼロ運動」。
普段野菜で食べられずに捨てられている部分(不可食部)を「捨てる」から「食べる」に変えていく活動です。

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このアイディアは、食品ロスという課題解決に沿っている点、野菜だけでなく肉や魚でも幅広く応用できそうな点、そして発案者の「ブロッコリーの茎が美味しいのに捨てられているのを活用したい」という熱意もわかりやすく伝わった点などが評価のポイントとなりました。
どのような食材の”不可食部“をどのように活用していくのかについては、今後はTFIメンバーと議論を重ねながらアイディアを形にしていく予定です。

今回のワークショップはTFIとして初めての試みでしたが、今後も他の大学や企業の皆様と共に開催ができればと考えております。一般的なワークショップで終わらず、社会実装型プロジェクトとして実施してまいりますので、ご興味のある方は是非お問い合わせください。

そして今後のアイディアが社会実装されるまでのプロセスも、サイト上でレポートしてまいりますので、どうぞお楽しみに!


参加した学生の皆さんからの感想

 

●普段関わらない社会で活躍されてる方々の前で自分がなんとなく思っていたことを、考えを口にして形にして発表する中で、色々考えを形にするプロセスをコンパクトな形だけれど経験できてとても糧になったと思います。

●普段の大学の授業ではしないような、自分がなんとなく持っている考えを実際に商品にして社会実装するにはどうするか、と考える経験が、すごく糧になりました。

●普段から地球環境について考えることはあるものの、社会実装や実現可能性について考えるきっかけというのはないので、これから貴重な体験ができると期待しております。
普段から地球環境について考えることはあるものの、社会実装や実現可能性について考える機会というのはないので、非常に貴重な経験となると期待しております。

●「OEGs」(東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部の「One Earth Guardians育成プログラム」)の中で自分が普段感じていた課題を形にできて、やりたいことをやれるようになる場が与えられたことがとても嬉しいので、それを忘れないうちにスピード感を持って行動できるようになりたいです。

●このような場で自分が普段感じた課題を形にして言語化でき、これからこの場を活かしてそれを社会実装できることがとても嬉しいです。

 

 

<文 / 今西敦子>